こんにちは、作業療法士のよろずやOTです。
今回は、FIMにおける整容評価についてまとめてみました。
FIMの概要・基本的な評価方法・他のFIM項目についてはこちら⇒【完全保存版!】FIMとは?点数のつけ方や具体例について徹底解説!
具体例だけパパっと見たい方はこちら⇒FIMの具体例を全項目分まとめました!【時間がない人向け】
今回は、具体例を多めに載せてありますので参考にしてただければと思います。
FIMにおける整容の概要
FIMにおける整容の定義
定義:整容には、口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔、ひげそりor化粧の5項目が含まれ、それらの平均で評価する。
FIMにおける整容の基本的な採点の流れ
基本的な採点基準としては、7点は完全自立、6点は修正自立、5点は監視・準備、4点は最小介助、3点は中等度介助、2点は重介助、1点は全介助となっています。
FIMには状況により点数が異なれば、基本的に低い方の点数をつけるという原則があります。しかし整容の項目に関しては全てが独立しており、一つが全介助であっても低い方の点数を優先することはなく、あくまで全ての平均で求めます。ただし、整容内の一つの項目でも誘導含め介助を必要とする場合は、他がすべて自立であっても5点以下となります。5点以下は基本的にそれぞれの介助量のパーセンテージを出し、5つの合計を足して5で割ればOKです。またひげ剃り、化粧に関しては、本人の気持ちや社会的に必要性がない場合は、除外した4項目で評価します。
FIMにおける整容の具体例
7点 完全自立 | ・全て自立し入れ歯の洗浄まで自分で行っている
・電動歯ブラシを使用しているが普通の歯ブラシでも可能である |
6点 修正自立 | ・電動歯ブラシを使用し、それでないと歯磨きが行えない
・長柄櫛を自分で使用し、他の整容動作は自助具を使用せず自力で行っている |
5点 監視・準備介助 | ・ベッド上での生活であっても、タオルやコップ、櫛を準備してもらうことで、自分で洗面や口腔ケア、整髪が行えている。その他の整容も準備までで手を借りることはない。
・自発性低下の為、すべてに誘導が必要だが、徒手的な介助は必要ない |
4点 最小介助(25%未満の介助) | ・5項目全てについて最小介助を必要とする。(各項目介助25%×5÷5=全項目合計25%介助)
・整髪、歯磨き、髭剃りはほぼ自立しており、仕上げを手伝ってもらうのみで最小介助。手洗い、洗顔は自立。(25%×3+0%×2=75% 75%÷5=15% つまり全体の介助量15%で、25%未満の介助量の為、4点) ・歯ブラシは準備してもらい(5点 介助0%)、整髪は自助具使用で自立(6点 介助0%)、手洗いは石鹸をつけてもらう(4点 介助25%)、洗顔は洗い残しを流してもらい、拭く部分も介助(3点 介助50%)、髭剃りは仕上げのみ介助(4点 介助25%) (0+0+25+50+25=100 100÷5=20 平均介助量25%未満) |
3点 中等度介助(25%以上、50%未満の介助) | ・口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔、ひげそりor化粧のうち3項目は介助なし、2項目が全介助(2/5が全介助なので、2/5=40%が介助量) |
2点 最大介助(50%以上、75%未満の介助) | ・口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔、ひげそりor化粧のうち2項目は介助なし、3項目が全介助(3/5が全介助なので、3/5=60%が介助量) |
1点 全介助(75%以上の介助) | ・整髪は完全に自立しているが、その他は全介助(4/5=80%介助なので、自分で焼やっている部分があっても全介助で1点)
・全て人にやってもらっている |
細項目(口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔、ひげそりor化粧)の具体例
口腔ケア
7点:電動歯ブラシを使用するが別にその必要はない。
6点:自助具を使用するが、装着を自分でしている。
5点:歯磨き粉をつけてもらう。
4点:自分で歯を磨くが、すすいでもらう。義歯を自分で洗うが他人に洗浄液につけてもらう。
3点:麻痺側の奥歯を磨いてもらう。
2点:自分で前歯のみ磨いている。
1点:すべて磨いてもらう。
整髪
4点:髪をとかせるが、束ねてもらっている。
3点:右側半分だけ自分でとかすことができる。
2点:前髪だけ自分でとかす。
1点:すべてとかしてもらっている。
手洗い
4点:石鹸をつけてもらい、手を拭いてもらうほかは自分で行う
3点:指の間だけ洗ってもらう、片手を洗ってもらう
2点:片手を洗ってもらい、もう一方の手の一部も洗ってもらう
1点:両手を洗ってもらう
洗顔
4点:顔を洗うことは自分で行い、拭いてもらう部分のみ介助
3点:洗い残しを洗ってもらい、顔を拭いて乾かしてもらう
2点:顔を洗ってもらい、すすぐ部分のみ自分で行う
1点:顔の中の一部を自分でこする程度
終わりに
整容は細項目も多くてわかりにくい項目です。しかし、口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔、ひげそりor化粧のそれぞれの項目について介助量を計算し、その平均を出すことでしっかり採点することができます。
こちらがおすすめの参考書になります。参考にしてみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
↓応援クリックしていただけると励みになります。よろしくお願いします。
にほんブログ村
コメント