こんにちは、作業療法士のよろずやOTです。
今回は、FIMにおける更衣下半身の評価についてまとめてみました。
FIMの概要・基本的な評価方法・他のFIM項目についてはこちら⇒【完全保存版!】FIMとは?点数のつけ方や具体例について徹底解説!
具体例だけパパっと見たい方はこちら⇒FIMの具体例を全項目分まとめました!【時間がない人向け】
今回は、具体例を多めに載せてありますので参考にしてただければと思います。
FIMにおける更衣下半身の基礎
FIMにおける更衣下半身の定義
定義:腰より下の更衣及び、義肢または装具を装着している場合はその着脱も評価する。
評価の対象範囲は?装具や靴は含まれる?
評価の対象動作としては、腰より下の更衣になりますので、動作の対象は基本的にズボン、パンツ、靴、靴下となります。そこに装具、義肢を使用していれば、追加で評価します。基本は上記4つ(ズボン、パンツ、靴、靴下)となりますが、「ズボン下を日常的に使用している」だとか「靴下は普段履いていない」なんて方もいらっしゃると思いますので、その場合は対象範囲を5つ、3つとその人のADL状況に応じて変更します。装具については、短下肢装具や長下肢装具が挙げられます。また、コルセットについては上半身に含まれているため、下半身では対象となりません。
対象範囲には、実際の更衣と前後の準備が含まれます。つまり、クローゼットから服を出し、着替えて、脱いだものを適切に処理するまでが含まれます。
FIMにおける更衣下半身の採点はどうする?ポイントは?実際の場面でどうすればいい?
基本的な採点基準
基本的には、7点は完全自立、6点は修正自立、5点は監視・準備、4点は最小介助、3点は中等度介助、2点は重介助、1点は全介助となっています。
更衣下半身において、基本的な採点の原則は以下になります。
・一日の中で複数回着替える場合は低い方の点数で採点。
・一回の着替えでは、着衣、脱衣の両方を評価。
・採点範囲はズボン、パンツ、靴下、靴の4項目を25%ずつに割り振り、それぞれのパーセンテージの合計を4で割る形で採点。
・それぞれの細項目についても更に2,3分割して考えるとわかりやすい。細項目の評価については、こうしろという決まりはないので、ズボン・パンツは、右足、左足、臀部の引き上げの3つに分けて、33%ずつ。靴・靴下は左右で50%ずつに分けるやり方がシンプル。
FIMにおける更衣下半身の採点における注意すべきポイント
次に採点時の注意すべきポイントをご紹介します。
特殊な条件は以下の3つです。
・装具は全介助でも5点までしか下がらない
・外を歩いても恥ずかしくない服装であることが原則(病衣は1点)
・入浴前後の着替えは評価対象外
とりあえず、ここを押さえておけば基本的に原則通りでOKです。
FIMにおける更衣下半身の具体例
最後に具体例を載せますので参考にしてみてください。
7点 完全自立 | ・義足も含め着脱自立
・市販のマジックテープ式の衣類や靴を利用し自立している。 |
6点 修正自立 | ・ソックスエイド使用し自立
・上肢義肢使用し自立 |
5点 監視・準備介助 | ・ふらつきがあり監視が必要
・下肢装具は全介助、他は自立 ・病院の決まりで衣服の管理は看護師が行っており、準備してもらっている ・弾性ストッキングの着用全介助、他は自立 ・オムツ使用し、オムツのみつけてもらっているが他は自立 |
4点 最小介助(75%以上自立) | ・ズボンの片足だけ通してもらう
・チャックだけ留めてもらう ・片足の靴を足に履く部分だけ介助で、それ以外は自力にて可能 |
3点 中等度介助(50%以上自立) | ・ズボン、下着、靴、靴下のうち、靴と靴下の着脱が介助で、他は自立(50%自力)
・服を脱ぐのは全て自力でできるが、着衣更衣の障害があり、着るのは全介助 |
2点 最大介助(25%以上自立) | ・パンツ、ズボンを介助で膝まで通すことであとは自力で行え、靴下と靴は紐を結ぶ部分だけ介助
・脱衣自立、着衣はズボンのみ介助 ・ズボン、下着、靴、靴下のうち、靴だけは自分で着脱できる |
1点 全介助(25%以下自力) | ・ベッド上での更衣で、体を横に向けるなど協力動作はある程度
・更衣全般全介助 ・動作的には自立だが、やる気がなく全介助で行っている ・院内では病衣しか着ていない |
以上で終わりになります。
こちらがおすすめの参考書になります。参考にしてみてください!
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