こんにちは、作業療法士のよろずやOTです。
今回は、FIMにおけるトイレ移乗評価についてまとめてみました。
FIMの概要・基本的な評価方法・他のFIM項目についてはこちら⇒【完全保存版!】FIMとは?点数のつけ方や具体例について徹底解説!
具体例だけパパっと見たい方はこちら⇒FIMの具体例を全項目分まとめました!【時間がない人向け】
今回は、具体例を多めに載せてありますので参考にしてただければと思います。
FIMにおけるトイレ移乗の概要
FIMにおけるトイレ移乗の定義
定義:便器に移ること、および便意から離れることを評価する。
FIMにおけるトイレ移乗の対象動作範囲
便器への移乗のみを評価することがポイントで、下衣の操作や、清拭は含まれない点に注意してください。ただし、動作が連続するため、しているADLだとどうしても干渉し合い、見守りレベルまで点数が落ちることも多いです。
評価の基本的な考え方は、FIMの採点方法〜ベッド・椅子・車椅子移乗〜【具体例多数】で書いていますが、一般的な移乗動作の対象が『便器』になっただけです。ベッド・椅子・車椅子移乗はこちらを参考にしてみてください。

トイレで見るべきポイントは、手すりの使用と、ポータブルトイレの使用です。
それぞれ補助具扱いになります。手すりなんかは何気なく初めからついているものを使用していることもありますので、注意が必要です。
FIMにおけるトイレ移乗の点数のつけ方
基本的な採点方法
基本的な採点基準としては、7点は完全自立、6点は修正自立、5点は監視・準備、4点は最小介助(75%以上自立)、3点は中等度介助(50%以上、75%未満自立)、2点は重介助(25%以上、50%未満自立)、1点は全介助(25%未満自立)となっています。
採点の際もベッド・椅子・車椅子移乗と同様の基準で良いです。下の表を参考に採点してみてください。
4-1点に関して大まかな目安があります。ここだけ覚えておけばたいていの人の採点はできると思います。ポイントは引き上げと、方向転換に分けて考えることです。4点は触れるまでで支えたら3点以下。3点は引き上げと方向転換の片方を軽く行う程度。両方を介助したり、一方でも全介助に近ければ2点となります。1点はほとんど協力なく全介助です。
4点 | 触れる程度の介助(引き上げたり回したら3点以下) |
3点 | 軽く引きあげる程度or方向転換時に軽く支える程度 |
2点 | 引き上げて、回す。 |
1点 | 全介助、二人介助 |
FIMにおけるトイレ移乗の具体例
最後に具体例を載せておきますので参考にしてみてください。
7点 完全自立 | ・トイレの蓋を常に開けておいてもらえば移乗動作自立している。
・病院のトイレの便座は高く設定されており、移乗自立している。(本人の為の改造ではないと解釈) |
6点 修正自立 | ・手すりを使用しトイレへの移乗自立している。
・ポータブルトイレを使用し自立している。 ・歩行している患者で、座るときのみ手すりを把持して座っている。 |
5点 監視・準備介助 | ・訓練室のトイレでは自立で行えるが、普段使用する便座が低いトイレを使用するときは監視が必要。
・ズボンの上げ下ろしに介助が必要な為、常に介助者がそばにいるが、移乗は自立レベルである。(しているADLで判断) |
4点 最小介助(75%以上自立) | ・立ち上がりの際に触れる程度の介助が必要。 |
3点 中等度介助(50%以上、75%未満自立) | ・便器⇒車椅子への移乗時、引き上げと、着座を少し介助してもらう。 |
2点 最大介助(25%以上、50%未満自立) | ・しっかり引き上げてもらい、回してもらう必要がある。 |
1点 全介助(25%未満自立) | ・夜間は尿器使用の為、トイレ移乗は行っていない。
・昼夜オムツ対応である。 |
移乗はかなり似通った内容になりますが、一応トイレ移乗も個別にまとめてみました。参考になれば幸いです。
こちらがおすすめの参考書になります。参考にしてみてください!
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