こんにちは、よろずやOTです。
今回は、FIMにおける記憶の評価についてまとめてみました。
FIMの概要・基本的な評価方法についてはこちら⇒超メジャーなADL評価法 FIMとは?点数の付け方等を解説!
今回は、具体例を多めに載せてありますので参考にしてただければと思います。
FIMにおける記憶の概要
FIMにおける記憶の定義
定義:日常生活を行う上で必要になる内容を覚えていられるか。普段、一般にメモを取らないと覚えていられないような特殊な内容は含まれない。言語的、視覚的情報を記憶し、再生する能力である。課題の遂行の能力だけでなく、学習の能力も含まれる。
FIMにおける記憶の対象範囲
定義にもある通り、日常生活上で必要なことを覚えることができるか。という部分が評価対象となります。
大まかにいうと、次の3つがポイントになります。・日課 ・よく会う人の認識 ・人からの依頼 です。
この辺が評価対象となります。こう見てもらうと分かりますが、かなり簡単な内容で構成されています。
別に人の名前が出てこなかろうが、明日の知人との予定がわからなかろうが減点対象にはならないのです。
ただ、これだけだとわかりづらいので、逆に対象範囲外となる項目を抑えておくことで、理解しやすくなると思います。
この辺は、FIMにおける記憶評価の対象外となるので参考にしてみてください。
FIMにおける記憶の点数のつけ方
基本的な採点方法
認知項目は運動項目の点数のつけ方と微妙に違うところに注意が必要です。
その違いは、5点の監視の部分です。認知項目で監視って、そもそも対人ありきなので、全部監視になってしまいます。なので5点は監視レベルとして10%未満の介助が必要としています。
それに伴い、4点の評価の幅が、運動項目では25%未満の介助であったのに対し、認知項目の4点は10%以上、25%未満の介助となっています。
その他の点数は運動項目同様です。
まとめると7点は完全自立、6点は修正自立、5点は監視・準備(90%以上自立)、4点は最小介助(75%以上90%未満自立)、3点は中等度介助(50%以上、75%未満自立)、2点は重介助(25%以上、50%未満自立)、1点は全介助(25%未満自立)となっています。
FIMにおける記憶の採点方法
対象範囲で書いた、・日課 ・よく会う人の認識 ・人からの依頼 についてそれぞれを33%ずつに分けて採点していきます。
基本的にこれらを道具や援助を必要とせず行えていれば7点、メモリーノート等の道具を自力で使用していれば6点。(メモリーノートの使用についてその都度介助が必要な場合は5点以下です) 覚えていられないことがあればそのパーセンテージに応じて5点-1点となります。
FIMにおける記憶の具体例
最後に具体例を載せておくので参考にしてみてください(^^)
7点 完全自立 | ・他人を認識し、その場での命令に応えられ、日課を言うことができる。
・自立レベルだが、1ヶ月に1,2回程度、日課である訓練のスケジュールを忘れることがある(一般人でもあるレベル) ・運動性失語がある患者で、担当セラピストや、日課を覚えているが、言えない。三段階の命令にもついていける |
6点 修正自立 | ・メモリーノートを自分で管理して、日々の日課が自立している |
5点 監視・準備介助(90%以上自立) | ・メモリーノートの使用を10回に一回程度思い出させてもらう必要がある。
・人の認識はでき、日課も言えるが、3段階の命令は困難で2段階であれば可能。 |
4点 最小介助(75%以上90%未満自立) | ・予定表を見て行動しているが、予定表を見ること自体を10-25%の頻度で声掛けしないと忘れてしまう。 |
3点 中等度介助(50%以上、75%未満自立) | ・担当セラピストの顔は認識し、検温などの日課は覚えたが、頼まれた依頼内容は覚えていない。 |
2点 最大介助(25%以上、50%未満自立) | ・担当Ns、担当セラピストは認識しているが、日課は覚えておらず、依頼には答えられない。 |
1点 全介助(25%未満自立) | ・担当セラピストは覚えているが、担当Nsや同室者は覚えておらず、日課や、他人からの依頼にも応えられない。 |
本当に日常的な内容が評価対象となっています。MMSEでカットオフ以下でも記憶が7点って人も結構いますので雰囲気で採点しないよう注意しましょう(^^;
最後までお読みいただきありがとうございました。
こちらがおすすめの参考書になります。
↓クリックで応援よろしくお願いします。
にほんブログ村
コメント