こんにちは、作業療法士のよろずやOTです。
今回は、FIMにおける問題解決の評価についてまとめてみました。
FIMの概要・基本的な評価方法・他のFIM項目についてはこちら⇒【完全保存版!】FIMとは?点数のつけ方や具体例について徹底解説!
具体例だけパパっと見たい方はこちら⇒FIMの具体例を全項目分まとめました!【時間がない人向け】
今回は、具体例を多めに載せてありますので参考にしてただければと思います。
FIMにおける問題解決の概要
FIMにおける問題解決の定義
定義:問題解決の内容は、生活に即した問題にどう対応するかである。日常生活上の問題解決に関連した技能が含まれる。すなわち金銭的、社会的、個人的な出来事に関して、合理的かつ安全にタイミングよく決断する。問題を解決するために行動を開始し、継続し、自分で修正していく能力である。
FIMにおける問題解決の対象範囲
定義の内容は難しくてわかりにくいですね(^^; 簡単に言うと『日常生活上の問題に対してどう対応しているか』を評価します。病気をどう治すとか、難しい計算問題を解くとか、そういった専門的な能力でなく、あくまで日常生活上の一般的な問題に対応する能力です。
日常生活上の問題にも二種類あって、複雑な問題と、日常的な問題です。
それぞれ具体例を以下に載せますので参考にしてみてください。
※問題を解決するということ
問題解決というと自分ですべて解決しないといけないような気もしますが、そうではありません。
問題に対して、自分で考え、できないことはしっかり他人に頼むことができればそれは問題が解決できていると判断します。
FIMにおける問題解決の点数のつけ方
基本的な採点方法
認知項目は運動項目の点数のつけ方と微妙に違うところに注意が必要です。
その違いは、5点の監視の部分です。認知項目で監視って、そもそも対人ありきなので、全部監視になってしまいます。なので5点は監視レベルとして10%未満の介助が必要としています。
それに伴い、4点の評価の幅が、運動項目では25%未満の介助であったのに対し、認知項目の4点は10%以上、25%未満の介助となっています。
その他の点数は運動項目同様です。
まとめると7点は完全自立、6点は修正自立、5点は監視・準備(90%以上自立)、4点は最小介助(75%以上90%未満自立)、3点は中等度介助(50%以上、75%未満自立)、2点は重介助(25%以上、50%未満自立)、1点は全介助(25%未満自立)となっています。
FIMにおける問題解決の採点方法
先ほど問題解決の対象範囲は、複雑な問題と、日常的な問題の2点で見ていくと書きました。
採点時はまず複雑な問題に手助けが必要かどうかを評価します。
⇒不要であれば7点、多少の困難や投薬をしていれば6点です。
⇒手助けが必要であった場合は5点以下となります。複雑な問題だと難易度が高く細かく評価できないため、次に日常的な問題を評価していきます。
採点はシンプルで、先ほどの日常的な問題に挙げたようなことをどのくらいの割合で解決できるか。でみていきます。
10回中7回解決できれば70%自立で3点といった感じです。
FIMにおける問題解決の具体例
最後に具体例を載せておきますので参考にしてみてください(^^)
7点 完全自立 | ・四肢麻痺がある為自分では行動できないが、人に頼むことで、入院中の会計や、退院カンファレンスにおいて自分の決断をすることができる
・今後も歩ける可能性は低いという説明をされていない為、歩行困難であっても車椅子の利用をしようとしないが、それ以外の問題は十分解決できる ・全て自力で十分に行える |
6点 修正自立 | ・投薬により、日中落ち着いて過ごすことができる為、問題解決も十分に行える。 |
5点 監視・準備介助(90%以上自立) | ・金銭管理や退院の計画についてはよくわからないが、必要時のナースコールや、援助希求は問題なく行える |
4点 最小介助(75%以上90%未満自立) | ・ギャッヂアップの依頼や、尿器の依頼の為にナースコールを押すが、時々混乱し、10回に2回程度はどうしていいかわからなくなってしまう |
3点 中等度介助(50%以上、75%未満自立) | ・ベッドから降りたい、窓を開けてほしいなどの日常的な依頼を日常生活の半分程度の頻度で行える |
2点 最大介助(25%以上、50%未満自立) | ・電話のかけ方がわからない。免荷中に一人で立ち上がろうとしてしまう。等半分以上の機会で適切に問題解決を行えないが1/4以上は行える |
1点 全介助(25%未満自立) | ・状況理解困難で問題に対して解決しようとしない
・トイレに行くには介助が必要であっても話しても毎回一人で行こうとしてしまう。 |
こちらがおすすめの参考書になります。参考にしてみてください!
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