こんにちは、作業療法士のよろずやOTです。
今回は、FIMにおけるトイレ動作評価についてまとめてみました。
FIMの概要・基本的な評価方法・他のFIM項目についてはこちら⇒【完全保存版!】FIMとは?点数のつけ方や具体例について徹底解説!
具体例だけパパっと見たい方はこちら⇒FIMの具体例を全項目分まとめました!【時間がない人向け】
今回は、具体例を多めに載せてありますので参考にしてただければと思います。
FIMにおけるトイレ動作の概要
FIMにおけるトイレ動作の定義
定義:会陰部の清拭、及びトイレまたは差し込み便器使用の前後に衣服を整えることが採点される。
FIMにおけるトイレ動作の評価の範囲
トイレ動作の評価範囲はズバリ、服を下げる、お尻などを拭く、服を上げるの3つだけです。
注意しなければならないのは、トイレまでの移動や、移乗、失禁等はこの項目に含まれないということです。
トイレまでの移動は「移動」の項目、トイレへの移乗は「移乗の」項目、失禁は「排尿、排便管理」の項目に分類されており、いわゆる一般的な「トイレの評価」って結構細かく別れています。
FIMにおけるトイレ動作の採点について
トイレ動作の基本的な採点方法って?
まず、共通の基本的な採点基準としては、7点は完全自立、6点は修正自立、5点は監視・準備、4点は最小介助、3点は中等度介助、2点は重介助、1点は全介助となっています。
それを踏まえて、トイレ動作での採点方法をお伝えします。
先程の服を下げる、お尻などを拭く、服を上げる動作の3つをそれぞれ33%に分けて採点する方法が基本になります。全て自力で5点以上、一つ介助で66%自力なので3点、2つ介助で33%自力なので2点、3つ全て介助で1点といった具合です。各項目を「できる」「できない」という観点だけで見るとこのような採点になりますが、なかなかこのようにキレイに採点できることばかりではないですよね。「ズボンを下ろすことの半分はできる」といった際は細項目でもさらに%分けする必要があります。この場合はズボンを下ろす動作の50%は自力と判断し、残りの清拭、ズボンの引き上げが全て自力だと仮定すると、ズボンを下ろすのが33×50/100=16.5% 残りは66%自力なので、16.5+66%=82.5%自力で行っているので、4点という計算になります。
まず3つの動作に分類、さらにその細分類の中でも介助量をパーセンテージで出し計算していく。これが基本原則になります。
FIMにおけるトイレ動作のイレギュラーなポイント
次にイレギュラーな点についてご説明します。覚えておきたいポイントは二つです。
それは、夜間の対応と、便と尿の違いです。
FIMにおけるトイレ動作の具体例
最後に具体例集を載せておくので、参考にしてみてください。
7点 完全自立 | ・ズボンを下ろす、拭く、ズボンを上げることの全てが自立している。
・人工肛門の患者だが、衣服の管理や、ストーマを清潔に保つことは自立している。 ・痔があり、ウォシュレットを利用しているが、動作能力的には使用しなくても可能である。 |
6点 修正自立 | ・ズボンの上げ下げ、清拭を手すりを使用し自立している。
・片手で切れるペーパーホルダーを使用しており、それでなければ介助が必要。 ・義足を着用しトイレ動作自立。 |
5点 監視・準備介助 | ・お尻を拭く紙を折って渡す必要がある。
・生理用品の介助が必要。 |
4点 最小介助(75%以上自立) | ・下衣操作や清拭は自分で行えるが、ふらつかないよう軽く支えてもらう必要がある。
・衣服の修正のみ行ってもらう。 ・清拭の仕上げのみ行ってもらう。 |
3点 中等度介助(50%以上、75%未満自立) | ・衣服を下げる、拭く、衣服を上げる動作のうち一つが全介助。
・ある程度立位保持介助があれば、ズボンを下すことができ、拭くことも可能。上げるのは全介助。 ・衣服を下げる、拭く、衣服を上げる動作の全てに対し半分程度の介助が必要。 ・下衣操作は左側のみ、清拭はペーパーを切る部分に介助が必要。 |
2点 最大介助(25%以上、50%未満自立) | ・ズボンを下すことはできるが、拭くことと、ズボンを上げるのは介助。
・衣服を下げる、拭く、衣服を上げる動作のうち二つが全介助。 ・ズボンを下すのは右側の途中まで自力、清拭は1/4程度は自力で拭ける、ズボンを上げるのは右側の途中まで自力。(動作全般に最大介助を要す) |
1点 全介助(25%未満自立) | ・排便時の下衣操作時、立位保持できるが、全介助。
・日中はトイレで自立しているが、夜間はおむつ対応全介助。 |
最後までお読みいただきありがとうございました。
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