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FIMの採点方法〜歩行・車椅子〜【具体例多数】

こんにちは、作業療法士のよろずやOTです。

今回は、FIMにおける歩行・車椅子の評価についてまとめてみました。

FIMの概要・基本的な評価方法・他のFIM項目についてはこちら⇒【完全保存版!】FIMとは?点数のつけ方や具体例について徹底解説!

具体例だけパパっと見たい方はこちら⇒FIMの具体例を全項目分まとめました!【時間がない人向け】

具体例を多めに載せてありますので参考にしてただければと思います。

目次

FIMにおける歩行・車椅子の概要

FIMにおける歩行・車椅子の定義

定義:歩行、平地での車椅子の使用を評価する。歩行での退院を予測するならば、入院時評価も歩行で行う。移乗がその場での動きを評価するのに対し、移動では離れたところへの動きを採点する。

入院時と退院時の移動方法は同じものを評価することが原則となります。退院時の予測が難しい患者も多いので、歩行と車椅子移動の両方を評価して記録しておくのがベターです。

FIMにおける歩行・車椅子の評価対象動作範囲

評価のポイントは、

50m以上移動しているか

・15mは可能か

この2点が重要です。ここを押さえればあとは基本原則通りでOKです。因みにこの距離は休憩をせずに移動できる距離です。休憩とは座って休むことを指し、立ったまま休憩することは含みません。

移動距離が15mと50mの2パターン評価する理由▼

移動距離については、二種類の距離設定がされています。その理由は、

『50mは屋外を移動する際に最低限必要な距離』であり、これだけの距離が移動できれば車(公共交通機関含む)での移動も含め屋外移動が自立できるという考えになります。(一応、アメリカで作られた評価基準なのでニューヨークの1街区に基づき設定されているそうです。日本の田舎とかだとあんまりあてにもならないかもしれないですね)

『15mは自宅に帰って屋内を歩行する際に最低限必要な移動距離』であり、自宅内移動の自立のカギになる距離になります。

一応、以上の理由で15m、50mが設定されています。

(再現性を高めるためにも距離の設定は重要かもしれませんが、現在置かれた環境の中で、『トイレまでの歩行自立』とか、『売店まで移動自立』とかの方がわかりやすい気もします。病棟生活でのトイレ移動だと15mに達しないこともありますし…(^^;)

FIMにおける歩行・車椅子の歩行・車椅子の点数のつけ方

基本的な採点基準としては、7点は完全自立、6点は修正自立、5点は監視・準備、4点は最小介助(75%以上自立)、3点は中等度介助(50%以上、75%未満自立)、2点は重介助(25%以上、50%未満自立)、1点は全介助(25%未満自立)となっています。

50m評価

まずは、50mの評価から見ていきます。5、6、7点は通常通りでOKです。4点以下についてはポイントがあるので見ていきましょう。

4点は触れる程度で介助量25%未満3点は重心移動の介助が必要で介助量25%以上50%未満となります。50%以上を介助で行っている場合は次の15m歩行での評価になります。

15m評価

〇次に、15mの評価を行います。ここはイレギュラーな評価になりますので注意してください。

15m移動自立は5点、25%以上を患者が行っていれば2点、それ以下であれば1点となります。因みにこの場合の自立は補助具の利用の有無は問いません。そして3,4点はないため、自立未満、つまり見守りだけでも2点となります。さらに、ここまでやる必要はないと思いますが、ものすごく厳密に評価をすると、49m見守りで歩行している人は、50mに達していないので15mで評価し、介助者が必要なので2点となってしまいます(^^;

これらを踏まえて評価の流れを書いておきます。

評価の流れとしては、まず、

〇50mの移動を行っているかを評価し、行っていれば3-7点で点数をつけてみる

⇒5,6,7点はそのままでOK

⇒3,4点は15mも評価して15mが自立なら5点を優先する

〇50m移動を行っていない場合

⇒15mを評価し、5点、2点、1点で採点する

FIMにおける歩行・車椅子の具体例

最後に具体例を載せておきます。参考にしてみてください。

7点 完全自立 ・50m移動補助具なしで自立

・50m歩行をアームスリングを使用し自立

・50m歩行を酸素ボンベを引っ張りながら自立(押し車のように使用し、それがないと歩けないのであれば6点以下)

6点 修正自立 ・義足、両手に杖を使用して自立している。

・車椅子自走50m自立している

・歩行自立しているが、徘徊防止用警報器をつけている。

5点 監視・準備介助 ・ふらつきあり50m移動監視

・15m歩行 歩行器を使用し自立

・認知機能低下の為50m歩行に監視が必要

4点 最小介助(75%以上自立) ・車椅子を使用している患者で、50mこぐことができ、方向転換の微調整や、段差を乗り越える際に軽介助を要している。

・介助者に手を添えてもらい、50m歩行可能

3点 中等度介助(50%以上、75%未満自立) ・車椅子50mこぐことができるが、まっすぐにしかこぐことができない。

・介助者に支えてもらいながら50m歩行できる

2点 最大介助(25%以上、50%未満自立) ・病棟生活で50mはこげないが、15mをまっすぐにこぐことはできており、曲がる際は介助が必要。

・50m移動不可で、15mは監視で歩行器歩行できる。

・49m見守りで独歩している

1点 全介助(25%未満自立) ・15mの車椅子駆動困難

・15mの歩行を二人介助で何とか行っている

・訓練中は50m自立~見守りレベルだが、病棟の都合で移動は車椅子全介助

終わりに

結構厳密に距離を見ていく事になるので、ステーションからトイレまでが何メートルとか具体的に覚えておくことで簡便に評価できます。

また、自分の一歩で1mを大体測れる感覚を身に着けておくと、その場ですぐに距離が測れて便利です。

こちらがおすすめの参考書になります。参考にしてみてください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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